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日本は破綻「しない」と断言するアメリカ人の論文を読みながら

   

Akio Iwanaga Photography

 

最近、ゼロヘッジ経由で、アメリカの投資銀行のマネージメントをしている人物が書いた「日本について」の文章を読みました。

山と積み上がった負債や、日本の人口減などについては、もはや定着した感のある話ですが、私を含めて多くの人たちは、たとえばもう 10年以上前から、「この負債で日本は崩壊する」というような説が「定番」でもありました。

私も経済にも金融にも疎いですが、数字だけを見せられると「そりゃ確かにどうしようもなさそう」と思っていたりしていたのですが、今回読んだものは、

「日本がその高い負債から崩壊するという説は間違っていて、これからも基本的には崩壊しない」

という内容のものでした。

そして、一部の外国の経済人から見れば、日本の現在の状態というのは革命的でさえあるようです。

「へえ」と思いつつも、よくわかるわけでもないのですが、日本の未来というと、破綻や崩壊というキーワードばかりが並ぶご時世で「そうではない」という話でもあり、興味深くありましたので、ご紹介しようかと思います。

文章自体が相当長いものの上に、経済・金融のことに私が何か説明できるものでもないですので、翻訳だけをご紹介したいと思います。

書いたのは、世界的な投資銀行マッコーリー・キャピタルのマネージメント担当のヴィクター・シュベッツ(Viktor Shvets)さんという人です。

まあ、私自身はこういうものを読んだあとでも、やはり破綻を考えてしまいますけれど、経済とか日本の国家資本主義とかが「仮に」破綻せずに行けたとしても、「今の日本の最大の問題はそこでもない」のだよなうとも思っています。

日本人という名前のもはや日本人ではないような精神性が増えているようなことにあるように思えて……。

まあしかし、今回はそれらのことはいいです。関係する過去記事を少しだけリンクさせていただくに留めます。

日本の未来が頭の中でフェイドアウトしたとしても、昔の日本のことは忘れない (2017/04/06)

数百万の「無菌室」が導く崩壊 : 「微生物との共生を拒否した日本人」たちが創り出す未来の社会は (2017/08/24)

「革命」(3) – 革命的行動の最上位は「子どもたちへの無条件の愛」を獲得した社会に戻すこと (2015/07/12)

今回はこういう問題とは違う、もっと近い未来の日常と関係した話なのかもしれません。

翻訳をご紹介します。

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Japan’s state capitalism will it survive……Japan Debt Mountain: does it matter?
Investor Village 2017/09/23

日本の国家資本主義は生き残るだろう。日本の膨大な負債の山 : それは問題となるだろうか?

資本が誤配分されバブルが崩壊してからの過去 25年間のほぼすべてにおいて、日本の負債は高く積もり続けてきた。現在、日本の負債は GDP の 2.5倍以上となっており、他の主要国と比べて大きな負債の負担を強いられている。

労働市場は依然として制約を受けており、それと共に、日本は深刻な人口問題に直面している。

第二次世界大戦以来、日本は常に他のほとんどの主要経済国より統計主義的であった。その日本のモデルに追随した韓国と中国は、今も引き続き日本と同様のモデルを進展させ続けている。

これまでよくあった議論では、この日本の債務が最終的に日本経済を押しつぶすとされ、それは公共部門の支出を厳しく圧迫して民間部門での調整ができなくなることにより日本は競争力を失うと何年もの間言われ続けてきた。

最終的には、日本の民間企業は信用を失い、送金が停止される可能性があり、その後、日本から大規模な資本が流出し、国家そのものが苦しむことになると述べられてきた。

しかし、これらのような悲惨な予測は過去何年にもわたり日本で発生しておらず、現時点までの予測として間違っていたというだけではなく、その後、世界の他の主要国の多くも経済的な停滞の後に、非定常的な金融政策(量的緩和など)を実行し、日本と同様の方法を行う「仲間」となったため、今では債務の問題も、日本だけの例外的な状況だと認識されるのではなく、主要国の多くを含む未来への指針として認識されている。

この数十年間の日本の混乱と資金調達の深刻さ、そして、その後の恒久的な過剰設備による操業の成功は今や多くの国によって研究され模倣されている。

確かに、日本は今後の世界の道を示している。

アメリカ連邦準備制度理事会に関連した QE (量的緩和)は 10年以上前に日本で発明されたものだ。財政刺激、金利の崩壊と強力な消滅(ゼロ金利)にも同じことが当てはまる。

日本政府の政策指針がどのようなものであれ、日本はすでにそれを試しているのだ。

日本は、債券から株式に至るまでの複数の資産階級を利用して債務を完全に収益化することにおいて、他の主要国よりはるかに進んでいる。

現在の状況を正常化する(元に戻す)ことは実現可能ではない。

アメリカ連邦準備制度とは異なり、今の日本には、利率が上昇したり、深刻な労働市場が移民などによって改革することが可能であるというような幻想はない。

今のアメリカが、時代遅れともいえる、工場を自分の国へ返すことに焦点を当てている時、日本は労働の投入がもはや重要ではない将来を築いている。

日本の文化や、日本の労働市場に存在する制約は、新しい考えや発明を商業化する能力を低下させているが、しかし、それらの制約は日本が世界で最も複雑な経済としての格付けを維持することを妨げていない。

日本は今でも特許でリーダーシップを発揮し、平均以上の労働力と多要素の生産性を生み出している。停滞した国内経済は、中国と直接競争するのではなく、相補的になっている競争の激しい外向きのセクターによって、むしろ強化されている。

日本が何十年も実践してきた財政的弾圧さえも、今では他のどこにもない世界的基準となっている。ユーロ経済圏の方法さえ世界の基準にはならなかったのにだ。

私たちは、日本銀行がインフレ目標を捨て去って資産買収の柔軟性を維持し、財務コストをゼロに近づけることを期待している。

これは、これからの何年もの間、日本が「夕暮れ」を続けるための方法だ。

日銀の資産が、日本の GDP の 100%を超えている中でさえも、債務負担が日本の経済や金融市場を傷つけることもなく進むための方法なのだ。

 

なぜ山のような債務は日本を破滅させないのか?

「自国通貨で借り入れている安定した政府を持つ先進国は、危機がなければ、非常に高いレベルの借金を上げ続けることができることを私たちは知っている」 – ポール・クルーグマン(経済学者)

 

ポール・クルーグマンのこの引用文は、なぜ日本がますます高まる公共部門の負債によって挫折していないのかという主な理由をうまく一言で説明している。

日本は信用度の高い国であり、ほとんどが自国通貨で借り入れており、債務は自国の市民が主に所有している。金融危機は日本においては、すべて現実よりも認識に関するものだ。

しかし、クルーグマンは強調していないが、ますます重要な問題のひとつは、中央銀行が政府の資金コストを支援し歪める能力である。中央銀行は経済の代理人ではないことを考えると、その入札と債券の買収は、適切な価格水準を発見するのではなく、政府の目標を支援するように設計されている。

過去には、このような積極的な介入派の政策は、戦争や大恐慌などに伴う独特で稀な出来事だったが、政府の準備政策により、この 20年、ますます受け入れられる道具となっている。日本は 20年以上にわたり正面からこのような中央銀行の積極的な介入という状態をリードしており、世界金融危機の後には、世界の他の国々が続いた。

日本に対する「債務による国家の崩壊」の予測のほとんどが一貫して失敗する理由には、基本的に以下の4つの理由がある。

1. 日本は均衡の取れた社会であり、比較的平等な収入と富の分布の構図を持っているため、痛みは均等に分かち合われ、経済的、社会的一貫性が保たれている。

2. 日本は、高齢者や医療従事者に対する国の委任を選択的に増強し調整し、不法に消費税を押し上げることで、それらの信頼性を維持した。これらの措置のいくつかは長期的には非生産的だったが、世界市場をなだめることに成功した。

3. 日本は自国の通貨で借り入れており、日本の国債の保有者の大部分は日本人(88%以上)だ。これにより、外部からの脆弱性が大幅に軽減されている。日銀は、資金供給と資本コストの低下を劇的に、そして積極的に進めてきた。この積極性は、債券利回りを低下させ、金利コミットメントの資金調達に費やされた政府支出の割合を大幅に減少させた世界的な人民元失業率の上昇傾向と一致する。

4. 政府の借入金負担が大幅に増加したにもかかわらず、サービス支出に特化した国の支出の割合は過去 10年間で大幅に減少し、現在総支出の 5%を下回っている。

日本経済は今日、数十年前と比べると、世界に対しての重要性は全体の一部となってきている。 80年代後半には、日本は世界的な輸出品の約 10%を占めていたが、そのシェアは現在 3.8%を下回っている。同時期にドイツのシェアは 80年代の10%〜11%から、現在 8%程度に低下しており、アメリカは 80年代の 12%から 9%に低下し、フランスは 5%から 3%に低下した。

日本の世界における GDP のシェアでも同じことが起きている。日本の成長率は大幅に押し下げられたが、日本全体の総需要と国民一人当たりの収入はそのまま維持されている。

日本は、土地のインフレがない(ほとんどの場合、実際にはデフレ)という衝撃的な経験から浮上し、財政刺激策と民間部門の弾力的な生産性によって資金供給が堅調に推移している。中央銀行は、財政赤字の資金調達に必要な額よりも多くの証券を取得することによって、国の債務を効果的に相殺している場となっている。

世界では、労働投入にますます関連性がなくなり、ロボット工学、自動化、人工知能、社会資本がますます重要な役割を果たしている中、人口統計の悪影響(日本の人口が減っていること)に関する伝統的な議論を前にしても、日本はもはや壊滅も崩壊もしないだろう。

また、日本に移民を大量に増加させることを賞賛する従来の議論については、それはこの問題と無関係であるだけでなく、理論的および実践的な根拠に欠けている可能性が高いことを示唆している。

日本が今後、大規模な移民を受け入れる可能性は非常に低い。それは、高い技能の労働者もそうではない労働者にも当てはまる。

そしてまた、日本人自身が外国の領域で働き生活することを好むことも基本的にはない。

しかし同時に、日本での人員の(外国人への)置換のペースは、他国よりもはるかに堅調なペースで加速している。たとえば、病院の看護師や、レストランの従業員やコンビニエンスストアの店員などにおいて外国人を積極的に採用している。

日本が持つ独自の性質は、持続可能なレベルの民間部門の生産性に変換され、それは所得と富の不平等を含んでもいる。

今日の日本は、1980年代後半から 1990年代初頭にかけて、より不平等化しているが、それでも世界で最も平等主義的な社会のひとつだ。

日本はまだ最も根本的な政策を受け入れようとはしていないが、借金負担を完全に貨幣化することにおいて、はるかに進んでおり、他のほとんどの国とは異なり、ますます加速している金融化のペース(または新しい債務主義世代の追加)を必要としない。

今の日本の目的は、人口の増加を目指して社会を損なわずに成長させることよりも、一人当たりの収入を維持することだ。日本がこの目標を達成できるかどうかは、日系企業と生産性向上を維持する経済全体に大きく依存している。

今後 10年間で、世界の主要国はさらに「人口の減少と、従来の資本収益率の低下」が今よりはるかに顕著になるだろう。

日本という国はその進化の最前線にいる。