またも配列見学の旅へ
あの……昨日の以下の記事を書いた後、まあ……ショッキングというほどのことではないですが、少し気づいたことがありまして、追記します。
[記事] トリス-スクロースの新しいコミナティの時代に
In Deep 2022年9月19日
それで、上の記事でもふれました、
・トジナメラン (初代ファイザー社ワクチンの mRNA)
・リルトジナメラン (新ファイザー社ワクチンの mRNA)
の新しいワクチンで使われているリルトジナメランの「リル (RIL)」がどうしても気になって調べていましたら、まあ、ワクチンとは関係のないことなんですが、新しいことを知りまして、そのことを少し書かせていただこうと思います。
こういう「言葉遊び」的なことを書くことも多いですが、なぜかといいますと、「このパンデミック時代は、一貫して提供側からの数の遊びと言葉の遊びが続いているから」です。
それはともかく、前回の記事のあと、どうしても知りたかったことのひとつに、
「新しいワクチン mRNA の配列」
がありました。
厚生労働省部局による新しいワクチンの特例承認書には、配列は掲載されていませんでしたが、特例承認書には以下のように書かれていました。
> リルトジナメランはトジナメランとは mRNA 配列が一部異なるものの、その配列の相同性は高く… (特例承認書 P.5)
両者は似ていると。
それで、「どの程度の相似なのか」ということを知りたくて、ふたつの配列を見てみたのです。
配列は「日本医薬品一般的名称(JAN)データベース」にあり、その「頭文字による一覧表示」から、トジナメランでしたら、「ト」から探せます。リルトジナメランなら、「リ」から探せます。
以下は、リルトジナメランの核酸の配列です。
これが、「 4275 」並んでいます。
普通、「 U 」と示される部分が「 Y 」となっているのは、この本来の U が、メチルシュードウリジンというものと「組換えられて」いるためです。
以前の厚生労働省の特例承認書には、以下のようにあります。
> 全てのウリジン残基が N1-メチルシュードウリジン残基に置換された、4284 個のヌクレオチド残基からなる 1 本鎖 RNA である。 (初代ワクチンの特例承認書)
初代は「 4284 」個なんですね。
この「リル」のほうを、初代の mRNA であるトジナメランと比較してみました。
さすがに、4275 全部を比較する気にはならないですが「パッと見」だけでいいので違いが知りたいと思いまして、「どうやれば、パッと見た目で違いがわかるかな」と、考えていたのですが、
「並べりゃいい」
と、
・リルトジナメラン (新ワクチン mRNA)
・トジナメラン (旧ワクチン mRNA)
の配列を並べてみました。
すると……。
まあ、私は素人ですので、核酸の配列が「これだけ違うと、どのように違う」ということがわからないですので、とにかく「違う配列はどの程度あるのか」と配列を上下に並べてみましたら……。
最初の 1150 までで以下の通りです。
リルトジナメラン (上)と、トジナメラン (下)の差異の比較
リルトジナメランは、300以下は、一列のセット(?)として見ますと、「全部、トジナメンとは違う配列」となっていました(パッと見ですので、同じ部分があったらごんなめさい)。 1150以下は見ていませんが、見るまでもないと判断しました。
何故、こんなことをしたかったかといいますと、あくまで仮に、ですが、
「編集に悪意があるなら、C と G を増やしている気がする」
と思ったからです。
旧ファイザーワクチンも、配列に、過分に G(グアニン)とC(シトシン)を増やしていました。
これに関しては、やや面倒な概念ですが、以下の記事などをご参照くだされば幸いです。
[記事] Toll様受容体を調べて突きあたった「 mRNA 配列の改変で C と G が異常に強化されている理由」は、もしかすると悪意のような背景に満ちているものかもしれない
In Deep 2021年11月13日
上の記事に、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの専門家のお話を載せていますが、以下のような部分があります。
> Toll様受容体が、認識したDNAを病原体のものだと判断するのは、多くの病原体が持っていて、哺乳類には少ないと言われる塩基のCGです。 (免疫システムの常識を覆した 「Toll様受容体」)
人間の免疫応答システムは、
「 C と G が隣り合う配列を病原体だと判断して攻撃する」
ということなんです。
ですので、理屈だけでいえば、過度に C と G が並ぶ配列は、自己免疫のような状態を作りやすいように解釈できると思われます 。
この C と G が隣り合う配列は、哺乳類にはもともと少ないのだそうですが (病原体には多い)、今回の新しい「リル」トジナメランの配列はどうなのかなと気になった次第でした。
さきほどの囲んだ部分の上のほうの部分だけ確認してみました。そして、「トジナメランから改変された CG 配列」を赤で囲みました。
以下のように CG だらけ、の改変配列となっています。以前と同じ CG は赤で囲んでいません。
リルトジナメランで C と G が隣り合うように変更されていた部分 (500まで)
CG 配列でも以前から変更されていない部分は赤で囲んでいませんが、それも合わせますと、リルトジナメランは、上のように圧倒的に CG 配列に支配されているように見えます。
4275個を全体的に見てみましても、やはり C と G に支配されている感じが強いです。
とはいえ、このような変更の意味するところは、専門家ではない私にはわからないです。
これが「善意」なのか「悪意」なのかは、あるいは医学的にこうするべきものなのか、等の知識が私にはありません。
ただ、それにしても、厚生労働省の特例承認書には、
> その配列の相同性は高く…
とありましたけれど、「こういうのは、配列の相同性が高いというのだろうか?」と思ってしまう部分もないではないですが、これらに関して、知識などがある方に見ていただければ幸いです。
それぞれ以下に配列があります。
しかし、この「トジナメラン」っていう綴りは、何度書いても、あるいは聞いても、どうも不穏な響きで、英語を母国語としている方にどう響くかわからないですが、日本語民族の私には、常に違和感がつきまといます。
ちなみに、これも最近知ったんですが、モデルナ社ワクチンがありますけれど、あの有効成分(mRNA )の名称は、以前は、「 CX-024414 」という記号でしたが、最近、つまり、前回の記事で書きましたように、この秋から展開されるワクチンは、ファイザー社ではすべて新しい二価ワクチンに変わるのですが、モデルナ社のワクチンも二価ワクチンに変更されていたことを添付文書で知りました。
この 9月に改訂された文書です。
販売名は、「スパイクバックス筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」で、以前は、CX-024414 という名称だったモデルナ社の有効成分は、
・エラソメラン (武漢株)
・イムエラソメラン (オミクロン BA.1)
と名称も変更されていました。
これも、エラソ「メラン」と、イムエラソ「メラン」となっていまして、トジナ「メラン」と同じメランで終わる単語です。
「メランって何だよ」
と思い、以前いろいろと調べたのですが、よくわかりませんでした。
ところで、新しいモデルナ社の二価ワクチンの添加剤を見てみますと、前回の記事でのファイザー同様、「トリス-スクロース製剤」となっていました。
ところが。
私は、ついでにちょっと意外なことを知ってしまったのですが、この際、「以前のモデルナ社ワクチンとの違い」を知りたくて、2021年5月に作成された、モデルナ社ワクチンの添付文書の第一版を見てみましたら……。
なーんと、
「モデルナ社ワクチンは、最初からトリス-スクロース製剤だった」
ことを知るのでした。
初代モデルナ社ワクチン添付文書より
COVID-19ワクチンモデルナ筋注
そうだったんだ……と今にして知った次第でした。
それで、まあ、ここからは完全に余談ですが、リルトジナメランの「リル」から、勉強になることを知りました。
組換え近交系
リルトジナメランの「リル」は、英語で RIL なのですが、意味がわからない中で、英語版 Wikipedia の RIL の名称を持つ項目一覧で、
「組換え近交系 ( RIL / Recombinant Inbred Lines )」
という初めて見る単語がありました。
初めても何も「近交系」という意味さえわからないのですが、これに関しては、日本語の Wikipedia にあります。
近交系とは、主に兄妹・姉弟同士の近親交配を20世代以上継続して得られた、遺伝子的なバックグラウンドを揃えた動植物の系統のことである。
近交系は、特に実験動物において個体差を少なくするために用いられる。近親交配を20世代以上繰り返しているために、近交系の個体は0.01%のヘテロ接合の遺伝子しか持たない。
そのために、遺伝的にはほぼ同一の個体であるとみなすことができる。
> 近親交配を20世代以上繰り返す…
というあたりの響きはちょっとアレですが、ともかく、これにより、
「遺伝的にほぼ同一の個体を作り出すことができる」
というような意味に思えます。
そこに「組換え」がついた近交系が、略称 RIL の組換え近交系ということのようですが、これは、英語版の Wikipedia には以下のようにあります。
Recombinant inbred line - Wikipedia
組換え近交系(RIL) は、2つ以上の近交系から継承された染色体間の組換えイベントの本質的に永続的なセットを組み込んだ染色体を持つ生物。
F1世代とF2世代は、近交系を交配することによって作られる。次に、F2子孫のペアを交配させて、長期の近親交配を通じて近交系を確立する。
うーん、難しい概念だなあ……。
正直よくわからないのですけれど、いや、今回、記事を書く上で、ずっと「遺伝子配列」なんてものを見続けていた中で、
> 本質的に永続的なセットを組み込んだ染色体を持つ生物。
なんていう響きを見ますと、なんだかゾクゾクきましてね。
昨年、あるいは一昨年あたりから、
「いろいろと体内に入ってきてるなあ」ということを思うことは多かったのですが、たとえばこちらの過去記事では、2020年のサイエンティフィック・アメリカンの記事の以下の部分を引用した記事をご紹介していました。
> 研究者たちは、新型コロナウイルスのタンパク質のコード分析を使用して、鳥、ヘビ、マーモット、ヘッジホッグ、マニス、コウモリ、人間などのさまざまな動物宿主に見られるコロナウイルスのタンパク質コードと比較した。
>
> 驚いたことに、新型コロナウイルスのタンパク質コードは、ヘビと最も類似していることを発見した。 (scientificamerican.com)
それで、現在使われているワクチンは、さきほども配列を示させていただいたように、「編集だらけ」なのですけれど、こういう遺伝子編集そのものがとても良くないことだということを知ったことを以下で書いています。
[記事] 遺伝子編集を発端としたヒトを含めたあらゆる生物種の完全な絶滅への道筋が見えてしまった
In Deep 2021年9月29日
どんな遺伝子編集でも、それは染色体破砕 (クロモスリプシス)という現象を引き起こすことを示した論文をご紹介しています。
しかし、もう動き始めてしまっていることですので、ある程度どうにもならないことでもあるのですが、今後、人間を超えて、自然環境全体の壊滅的な変化が、少しずつではあっても「表面化してくる」と思います。
そういえば、今日から、日本で新しいワクチンの接種が始まっていると報じられていました。
ところで、今回のタイトルは、ややふざけているとはいえ、1951年の日本の歌謡曲「上海帰りのリル」から拝借したものですが、「リル」トジナメランの親であるトジナメランの開発に出資援助したのは、上海の製薬企業でした。こちらの記事でふれています。
これは、今でも「トジナメラン - Wikipedia」に記載されています。
(トジナメラン - Wikipedia より)
> 2020年3月、バイオンテック社は中国の上海復星医薬から1億3,500万米ドル(約150億円)の出資を受け、バイオンテックの株式 158万株および中国、香港、マカオ、台湾における「BNT162b2」の将来の開発および販売権と引き換えに行われた。
少なくとも、リルの親のトジナメランは上海帰りなんです。
なんだかよくわかんなくなってきましたが、「上海帰りのリル」三番の歌詞を抜粋して締めさせていただきます。
上海帰りのリル (1951年) / 作詞 東條寿三郎
♪ 海を渡って来た
ひとりぼっちで来た
望み捨てるな リル
上海帰りの リル リル
暗いさだめはふたりでわけて
ともに暮らそう 昔のままで
リル リル きょうも逢えない リル
だれかリルを知らないか
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