In Deep

地球最期のニュースと資料

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「来世は素晴らしいと確定」したら、あなたはすぐに死にますか? …… と考えていたところに「バーチャルリアリティで《体外離脱の体験》をすると死に対しての恐怖が減少する」という学術論文が発表されたりする日々

   

医学情報メディア「メディカル・エクスプレス」の記事より

medicalxpress.com

今回は、上の記事をご紹介したいと思います。

ちょうど前回の「 LED と網膜の損傷」のことについてご紹介しました記事「世界規模での「失明の流行」の懸念 …」も、スペインの大学での実験でしたが、今回の記事も、スペインのバルセロナ大学での実験です。

その内容は、冒頭の報道のタイトル通りで、

「仮想現実(VR)において体外離脱を経験すると、死への恐怖が減少することがわかった」

ということがわかったというものです。

体外離脱は、「幽体離脱」というような言い方もあるかもしれないですが、つまり、死後に「自分が、自分の体から離れていく感覚を味わう」ことで、実証的な意味では完全に認められているようなことではありますが、現在の科学ではその原理も理由もわかっていません。しかし、その理屈はわからなくとも、「体外離脱の仮想の体験をするだけで、人は死への恐怖が薄くなっていく」ということになるようなのです。

これはですね、どうしてご紹介しようかと思ったかといいますと、今回の記事のタイトルもちょっと変な感じだと思うのですが、最近知ったこととの妙なシンクロとも関係しています。

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来世という概念を考えている時に

その「最近知ったこと」は何かといいますと、まだ公開されていない、ある映画のおおまかなストーリーなんですが、それを知って、「へえ」と思っていた直後に、今回のバルセロナ大学の仮想現実の体外離脱の研究論文のニュースを目にしたのです。

それはどんな映画かといいますと、俳優のロバート・レッドフォードさんが主催している独立系映画のための世界最大の映画祭であるアメリカの「サンダンス映画祭」というのがあるのですが、そこで今年、プレミア公開(?)された映画があります。

タイトルは『ザ・ディスカバリー(The Discovery)』というもので、公開前ですので、詳しいストーリーはわからないのですが、たとえば、下のような感じで予告が紹介されているのです。

『The Discovery』予告編:来世の存在が証明されたために人々が進んで死んでいく世界

 beagle-voyage.com 2017/01/19

ジェイソン・シーゲル、ルーニー・マーラ、ロバート・レッドフォード共演の近未来スリラー『The Discovery』の予告編が公開されました。

ロバート・レッドフォードハーバー博士(ロバート・レッドフォード)が来世の存在を実証したために、多くの人々が進んでこの世に別れを告げて、あの世へと旅立っていく。そんな世界を舞台に…(以下略)

 

というようなものらしいのです。

この中の、

> 来世の存在を実証したために、多くの人々が進んでこの世に別れを告げて、あの世へと旅立っていく

という下りが妙に気になったのですね。

もう少し簡潔に書けば、こちらの方の表現の、

「来世の存在が科学的に証明され、リセットボタン感覚で自殺する人が後を絶たなくなった世界」

というような世界を描いたもののようなのです。

「うーん・・・」

と私は考えましたね。

いや、かつて似たような設定を自分で考えたことがあるということも関係しているんですが、20代 30代とかの、ずいぶん昔ですけれど、この、

> リセットボタン感覚で自殺する人が後を絶たなくなった世界

というものがいつかは来るのではないかと思っていたことがありまして、しかし、それは「トリガー(流行の引き金)がないと起きない」はずで、そのトリガーは何だろうと、わりと長く考えていたことがありました。

この映画では「科学が来世の存在を証明したから」となっていますが、仮にそういうことがあったとして、その理由が「トリガー」になるのかなあと。

私個人としては、ひとつの「トリガーになる可能性のあること」を、その何十年か前に想定しましたけれど、もちろん、そんな物騒なことは書きません。

ともかく、そういうこともあり、今回の記事のタイトルに、

> 「来世は素晴らしいと確定」したら、あなたはすぐに死にますか?

というようなことを書いてしまったのですが、結局、現代社会が成り立っているのは、人々が、「我先に死なないから」であり、それで社会は存続しています。

この前提が崩壊すると、社会は成り立たないはずです。

物心ついたそばから、人々がどんどん「来世」に向かってしまい、現世には誰もいなくなってしまう世界は物質社会としては成り立たないです。

現代社会は、過去の様々な文明と比較しても、人々の過度な死への恐怖で綾取られていますが、「これがなくなった時にも、同じように社会は続くかな」という思いはいつもあります。

そんな中で、スペインの大学のバーチャルリアリティの「体外離脱」を経験すると、「死への恐怖が減る」という結果。

要するに、「死への恐怖を減少させる」具体的な方法がひとつわかったということになるという意味で、良い意味でも悪い意味でも興味深いことだと思います。

それでは、記事をご紹介しようと思いますが、医学・薬学関係の記事を専門に扱うメデイアからのものですので、医療的な側面のあるものなのかもしれません。

なお、実際の記事には動画なども添えられていますが、被験者は下のようにヘッドセットで映像と音、そして、手や足などに接触の感覚を与えられる装置をつけて、実験が行われました。

 

そして、映像と感覚から、自分自身の視点が、自分の体から離れていくという体験を感じるというもののようです。

 

というわけで、ここから記事です。


Virtual reality ‘out-of-body experience’ reduces fear of death in volunteers
Medical Xpress 2017/01/25

仮想現実での「体外離脱体験」は死への恐怖を軽減する

仮想現実(バーチャルリアリティ / VR )の経験について、特定の方法でそれが実行されると、死に対する恐れを減らすことができることをバルセロナ大学の研究チームが発見した。

チームはその実験について記述した論文を作成し、オープンアクセス科学誌 PLOS ONE に公開した。

先行研究と事例の証拠によると、死に至った経験を持つ人々は、彼らが死の恐怖をほとんど感じないことが多いことが分かっている。

科学では、なぜ死に至る際に恐怖を感じないのかということについての現象の理由をわかっていないが、スペインの研究チームは、被験者のボランティアたちに、バーチャルリアリティ機器を使った体外離脱体験を体験させることによって、同様の感覚(実際に死に至る時の感覚)を人為的に誘導できることを発見したのだ。

バーチャルでの体外離脱体験についての効果の検証については、研究チームは 32人の女性ボランティアの援助を得て実施された。

各人はバーチャルリアリティ機器に接続されたヘッドセットを着用し、研究者から座るよう求められた。研究者は被験者に対して仮想環境を操作した。

実験の初めに、ボランティアたちは、仮想現実空間の中でボールが落ちていく感触を誘発されることによって、このバーチャルの環境に深く入り込みやすいようにされる。

これらのバーチャルの感覚は、ボランティアたちの肘と足首に配置された装置を介して伝えられる。バーチャルのボールが体のその部分に接したとき、ボランティアたちは、わずかな振動を感じる。

仮想現実に入り、数分後、研究者たちは、ボランティアの視覚的な見方を、一人称から三人称の視点に変更した。

機器の視点を一人称から三人称に変更することで、ボランティアたちに、自分の体が離れていくように感じさせるのだ。彼女たちはカメラが天井と反対側の壁に向かって高く動いていくと、自分自身が、自分の後ろに存在しているのを見ることができた(自分の姿を別の場所から見ているという意味)。

体外離脱実験の数分後、ボランティアたちにヘッドセットを取り外してもらい、次にアンケートに記入してもらった。

そのうちのいくつかの項目は、死に対しての恐怖のレベルに関する質問だった。

そして研究者たちは、体外離脱経験の対象となったボランティアたちは、その実験をしなかった人たちより、死への恐れが有意に少なかったことを見出した。

これは、仮想現実での体外離脱体験が、否定的な結果を伴わずに偽の死後の体験を心に入れることにより、体験した人の死の恐怖を軽減することを示唆している。


 

ここまでです。

まあ、私のこの2年くらいの生活の中では、「恐怖からの解放」というのが大きなテーマになっています。過去記事の、

「恐怖からの解放」についてのメモ
 2015/04/29

など、いくつか記していますが、恐怖の中で最上位とも言えるのが、「死への恐怖」であり、そこからの解放があれば、ほんわか嬉しい話ではあったりするのですよね。個人的にはですが。

それにしても、こんな程度の VR で簡単に死への恐怖が減るなんて・・・とは思います。

そして、ちょっと体験したいと思っている自分もいます。