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男性の精子レベルの著しい低下がイスラエルの大学の大規模調査で確認される。論理的な観点からのみだと「西暦2060年に男性の生殖機能はこの世から消滅」する

   

BBC

最近、イスラエルのヘブライ大学の大規模調査で、「男性の精子数の減少が予想を超えたものである可能性」を示す結果が発表されました。

欧米ではいろいろな形で報道されていまして、中には上の BBC のように「人類の絶滅」というような言葉を使うものもありますが、今回は、研究の内容を客観的に取りあげていた記事をご紹介します。

なお、今までも「男性の精子の数の減少」については、多くの研究があり、たとえば下は 2013年のフランスの研究です。

1989年-2005年までの精子数の減少(フランスでの研究より)

dailystormer.com

このように「 30%くらい減っている」というようなことが言われたりしていたのですが、今回のヘブライ大学の調査結果は以下のように「最大で 60%の減少」という衝撃的なものです。

1973年から2011年までの精子数の推移(今回のイスラエルの研究)

academic.oup.com

まずは、記事をご紹介したいと思います。

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Huge drop in men’s sperm levels confirmed by new study
The Conversation 2017/07/30

新しい研究によって確認された男性の精子のレベルの激しい低下

エルサレムにあるヘブライ大学の新しい研究によると、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドの男性の精子数は 1973年から 2011年にかけて 50% – 60%も減少していることがわかった。

このデータは 42,935人を対象に分析して得られたが、驚いたことに、アジア、アフリカおよび南米の男性では、精子数の低下は見られなかった。しかし、これらの地域からの収集データ数は限られている。

全体としては、今回の研究結果は非常に厄介な報告となっているといえる。

男性の精子数が減少しているかどうかに関しては、これまで科学者たちの間で議論が長引いていた。しかし、今回の研究がこれまでと異なるのは、そのデータ分析の質だ。

それは体系的に行われ、これまでの研究に影響を与えた問題のいくつか、それは精子の数の数え方や、また数十年間の長い期間でおこなわれた研究との比較も行い、男性の精子数について統計的に説明しているのだ。

そのようなこともあり、今回のヘブライ大学のデータに関して専門家たちは、提示されたデータが高い品質を持ち、その結論は驚くべきであるにも関わらず信頼できるものであることに同意している。

いったい男性の精子に何が起きているのか?

男性の生殖機能の異常の増加については、医学界には長年の懸念がある。そこには、精巣がんの増加などもあるが、男性の精子数の減少は、これらの増加と一致しており、この懸念に重みを加えている。

男性の生殖機能は、何らかの攻撃を受けており、近年その機能が急速に衰退している。

実際、精子数に関する現在のデータが論理的に帰結していくとすれば、2060年には、男性はほとんどまったく生殖機能を持たないことになってしまう。

なぜ、男性の生殖機能がこのようなことになっているのかについて明確な説明がされたことはないが、最も合理的な要因としては、環境の変化だと考えられている。

現在の研究では、男性の胎児は特に汚染物質への曝露の影響を受けやすいことを示唆している。胎児の早期に胎内で起きる事象は、成人になってから非常に重要な影響を及ぼす可能性がある。

明白なのは、なぜ精子数の減少が起きているのかを知るためには、今よりもはるかに多くの研究が必要であるということだ。男性の生殖機能を増加に転じさせるための緊急の転換が必要だ。

しかし、男性の精子数の減少は明確に示されているとはいえ、すべての研究がこれを示しているとは限らない。たとえば、地理的な違いがあるわけで、その地理的な違いは何によるものであるか、そこには遺伝的差異であるかもしれないし、特定の汚染物質への暴露などがあるかもしれないが、それらを判断することが重要だ。


 

ここまでです。

冒頭の BBC が「人類の絶滅」というような言葉を使ったのは、この中にある、

> 精子数に関する現在のデータが論理的に帰結していくとすれば、2060年には、男性はほとんどまったく生殖機能を持たないことになってしまう。

という部分も関係あるかもしれません。

今のままの率で、男性の精子が減少していけば、確かに数十年後は、「ものすごく子どもができにくい世界」にはなっていそうです。

この記事の中に「アジアやアフリカなどでは減っていない」という部分がありますが、「アジア」という括りは大ざっぱで、アジアの中でも、少なくとも日本人の精子は減少しています。

日本人の精子の減少に関しては、研究やデータの数値もあるのですが、数や精子の数の確認方法などを含めて、今ひとつ正確な部分でわからない面がありますので、グラフなどは載せませんが、ただ「日本人の男性の精子も減っている」ということ自体には間違いがないようです。

精子の減少の根本的な原因については、「まったくわかっていない」といっていいかと思います。

生活習慣などが挙げられることもあり、喫煙や飲酒や肥満などが悪いなどという向きもありますが、過去の日本を考えてみますと、そんなことはほとんど関係ないこと感じもします。

精子の減少が、いわゆる文明社会生活圏に集中していることから見て、

「もっと根本的な問題がある」

のだと思います。

そして、それはおそらく、最近の「魚の生殖能力の減少」について書きました、

完全絶滅プロトコル : 魚たちが次々と「男性から女性へと変化」しているその原因が判明。そこから気づいた「人間から水循環システムの中へ排出されている薬たちによる皆殺し」
 2017/07/08

という記事の内容(人間の避妊薬、あるいは他の薬も含めて、人間から排出されるの薬が水中生物の不妊を起こしている可能性)や、あいるは、

「マイクロファイバーがプランクトンを殺しながら食物循環に入る様子」が初めて撮影される。そして、魚、微生物、クジラ、海鳥などあらゆる海の生物たちがプラスチック大好きな状況から想像する「海の終焉の日」
 2017/03/13

という記事で、

「プラスチックが海を殺している」

という可能性(というより、ほぼ現実)などを見ましても、たとえば、

・西洋薬のない社会

を実現するのが不可能なように、あるいは、

・プラスチックのない世界

を実現するのが不可能なように、つまり、これらのような「もはや転換不能な致命的事象」が、生活の全般に行き渡っていて、それを「やめる」ということはできなくなっているのですから、行くところまで行くしかないのだとも思ってしまいます。

もし、この世から「薬とプラスチックを無くすことができる」というような人たちがいればすごいですが、あまりにも実現不可能な気はします。

前回の記事、

ふと気づくと「虫がいない世界」に生きている(その原因はネオニコチノイドではなく私たちの生き方そのものだとしみじみ思うこの夏)
 2017/07/30

などに書いたこともそうですが、「人間にとって快適な生活」が、根底から地球の環境を変えている可能性がある上に、今回の精子の話のように、その中のいくつかが「人類文明の存続に直接降りかかってきている」ということも言えるのかもしれません。

どれだけ理想を「語る」指導者や政治家がこの世に出てきても、これらの根本的な現代社会のシステムを変革することなど誰にもできないのですし、そして、これらの問題の厄介なところは、「ひとりひとりが意識して生活しても、全体に与える影響があまりにも小さい」ことです。

1万人のうちの 1人が真摯に何かを実践しても、現実的には、やはり 9999 の数の影響のほうが強いです。

このあたりは理想論だけではどうにもならないことで、信じられないような革命のようなシステムとメカニズム自体の変革がないとどうにもならないわけですが……現状で変わる可能性があると考えられる部分があるでしょうか。

どうにもそれを想像することができないのです。

最近の私がやや悲観的なのは、そういう理由にもよります。

偉そうにこんなことを書いている私自身も今、プラスチックのペットボトルに入ったお茶を飲んでいるわけで。このペットボトルもまた後に海の魚の稚魚を殺す可能性があるものです。

さてどうしたものか。