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2017年からの世界 拡大する自然災害 日本の未来

台風21号はカテゴリー3レベルに。そして、アメリカの自然災害リスク評価の専門家は日本に向かうこの台風を2005年の「ハリケーン・カトリーナ」と同様に見ている

投稿日:2017年10月21日 更新日:

2017年10月21日の米国ブルームバーグの記事より

bloomberg.com

台風21号 / Lanの最近の衛星画像

NOAA




いろいろな意味で最強のルートを驀進中の台風ラン

台風21号(英語名:ラン)が近づいています。

何だかこう、他のテーマの記事を書くような気にもならず、かといって、まだやってきてもいない台風21号のことをあれこれ書いても仕方ないような気はするのですが、海外の報道を見ていると結構派手な見出しが多く、この台風21号を、ハーベイ、イルマ、マリア、オフィーリアと並べているものが多いのですね。

そして、アメリカノ気象予報機関により出された「台風21号の日本での被害リスク地図」を見ますと、私の住む関東は「真っ赤」の最大リスクとなっております。下がそのリスク予想地図です。

accuweather.com

 

先日、

スーパー台風として日本列島に突入する可能性が極めて高まる台風21号 / LAN 。それは北緯33度線に向かって一直線に勢力を増大させてくる
 2017/10/19

という記事を書かせていただいたのですが、台風21号は予測通りのコースを進んでいまして、どうやら関西も関東も大都市圏を含めて、それなりに面倒なことになりそうな感じです。

すでに台風21号は、10月21日午後の時点でアメリカの暴風雨の尺度で「カテゴリー3」となっています。

アメリカでの暴風雨の尺度

カテゴリー1 秒速 33 – 42 メートル
カテゴリー2 秒速 43 – 49 メートル
カテゴリー3 秒速 50 – 58 メートル
カテゴリー4 秒速 59 – 69 メートル
カテゴリー5 秒速 70 メートル以上

10月21日午後4時30分時点での台風21号の状況は下の通りです。

台風情報

そして、前回の記事で少しふれましたが、日本周辺の海水温度を考えますと「今後もう少し勢力が上がる可能性」があるのです。

カテゴリー4、あるいは瞬間的にはカテゴリー5に達する可能性もないではないかもしれません。

台風の速度が上がっていますので、それなりの勢力を維持したまま本州に影響を与える可能性が強そうです。

日本の報道を見ますと、「月曜日の通勤に影響が」とか、そういう感じのことが書かれてあったりしますが、場合によってはそういう問題ではないかもしれません。もちろん、大した影響なく終わるかもしれないですが、勢力も影響範囲も近年の台風と比べてどうにも強力すぎます。

今日のウェザーニュースで、台風21号を、1959年に死者・行方不明者 5,000人という被害を出した「伊勢湾台風」と比較した記事が出ていました。

下の図のように、コースがほぼ同じなのです。

weathernews.jp

実際には来てみないと何もわからないわけで、フロリダ州を襲ったハリケーン・イルマなどは、想定より被害が「低かった」というようなこともありますし、その時までは何もわかりませんが、台風ランは、大きな被害が出る「可能性」がある普通はほとんど経験しないような台風だということは事実だと思います。

冒頭のブルームバーグの記事をご紹介しておきたいと思います。アメリカでの災害リスクの専門家が台風21号をどのように見ているかがわかります。

なお、今回の記事のタイトルに「ハリケーン・カトリーナ」と書いたのは、記事に出てくる専門家が、もし今回の台風 21号と同じような暴風雨がアメリカの大都市を襲った場合は、被害は「 1000億ドル(11兆円)になるだろう」と言っていたことからです。

2005年のハリケーン・カトリーナの被害額は 1080億ドル(12兆円)でした。

ここから冒頭のブルームバーグの記事です。

そして、私たちは無事に月曜の午後を迎えられますように。


Typhoon Lan Poses a $35 Billion Threat to Japan in Worst Case
Bloomberg 2017/10/21

台風ランは最悪の場合、日本に350億ドル(約4兆円)の脅威をもたらそうとしている

米国ジョージア州にあるエンキ・リサーチ社(Incki Research)で、災害によるリスク分析を手がけるチャック・ワトソン(Chuck Watson)氏は、10月23日午前に東京を含む日本の首都圏近くを直撃すると予測されている台風ラン(台風21号)は、日本に 250億ドル(2兆8000億円)から、最大で 350億ドル(4兆円)の経済的被害をもたらす可能性があるとした。

台風ランは現在(10月21日)、東京から南に約 1,880キロメートルに位置しており、瞬間最高風速は、時速 240キロメートルにのぼっている。

ハワイにある米軍合同台風警報センター(JTWC)がによると、この台風ランは、ハリケーンに適用される5段階の尺度では、上から2番目のカテゴリー4に相当するものになるとアメリカ海軍と空軍では予測している。

10月22日には台風が現在よりさらに勢力を増すとみられるが、日本の海岸線に近づくにつれて、勢力は弱まることが予想される。

現在の予測では、台風ランは月曜日の午前に東京湾に近づく。まだ台風のコースは完全に確定してはいないが、現在予測されているコースは「想定し得る最悪のコースとなっている」とワトソン氏は語る。

ワトソン氏によると、日本のインフラは、アメリカのそれと比べると、暴風雨に対しての対処能力に優れているという。

「日本は、アメリカよりも台風に対しての対処が整ってるため、350億ドルほどの被害で済むとも言える。仮に、今回の台風ランと同等の暴風雨がアメリカのニューヨークやマイアミなどの都市圏を襲った場合の被害額は、750億(8兆5000億円)~1000億ドル(11兆円)の被害となり得る」とワトソン氏は言う。

台風ランは、過去2ヵ月にテキサス州、フロリダ州、プエルトリコを襲ったそれぞれのハリケーン、ハーベイ(Harvey)、イルマ(Irma)、マリア(Maria)、そしてアイルランドを襲ったオフィーリア(Ophelia)に次ぐ最新の巨大暴風雨となる。

「台風ランは、今年の 8月以降、私が追跡した 17番目の暴風雨事象だ。ランは日本の 100万人を超える人々に影響を与える可能性がある」とワトソン氏は語った。





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