雨という現象の正体は「生物現象」
今年は「雨の災害」がとても多い年でした。日本も含め、世界各地で春からずっと雨の災害や大きな洪水が続きました。
最近よく、今年の自然災害について考えることが多かったのですが、この「雨」のことを考えていて、
「なんか引っ掛かっていることがあるなあ」
と思い続けていたのですが、メルマガを書いている時、In Deep の過去記事を検索していまして、ある記事に突き当たりました。
2012年9月の記事ということで、7年も前のものです。以下の記事です。
・水星の真実: 「水星は他の惑星とはまったく違う起源を持つ」可能性があることが無人探査機のデータによって明らかに
タイトルにまったく「雨」と出てこないので、気づかなかったのですが、ここで余談として書いている内容に、私の引っ掛かっていた「源」があったのです。
その源というのは、すなわち、
「雨は宇宙から来た生物によって生成されている」という根本原理
です。
そして、その宇宙からの有機物の量によって、気象がコントロールされている可能性が高いのです。
私たちは、現在、雨などの気象災害などを数多く経験していますが、「雨量と、宇宙からの生命(有機物やバクテリアなど)の量は比例している」とも考えられ、つまり、雨の災害が増えるということは、宇宙からの作用の変化を示している可能性もあるのです。
そのメカニズムをきちんと示しませんと、何だかムチャクチャなことを書いている変な人だと思われるかもしれないですが、おそらく、これは「ほぼ真実」です。
順を追って書いてみたいと思います。
まず、
「なぜ雨が降るのか」
ということについては、どのように思われるでしょうか。
これは結論から書きますと、現在の科学では、
「よくわかっていない」
のです。
たとえば、子ども向けの科学の本では「雨の降る仕組み」を以下のように説明します。
学研キッズネット「どうして雲から雨がふるの」より
雲は、ふわふわした綿のように見えますが、じつは細かい氷や水のつぶが空気中にうかんでいるものです。
この雲の中では、まずはじめに細かい氷のつぶができます。
そして、この氷のつぶのまわりに細かい氷のつぶがくっついていき、だんだん大きな氷のつぶになっていくのです。こうしてできた氷のつぶは重くなり、空中にうかんでいられなくなると、地上に落ちてくるのです。
このこと自体は、間違いではありません。
しかし、この中に、
> はじめに細かい氷のつぶができます
とあります。
この「細かい氷のつぶ」ができた後に、その周囲に「細かい氷のつぶがくっついていき」という状態になるためには、
「その中心に核」
が必ず必要となるのです。
これは、氷晶核と呼ばれますが、中心にこの核がなければ、そのような「雨の元」はできません。まったく雨とはなりません。
下の図は、雨が作られる構図ですが、この氷晶核がなければ、雨は生成されないのです。
・雨の成因
この「核」となる物質は、何でもいいわけではなく、「雨になりやすい物質」というものがありまして、それ以外のものでは、雨の核になり得ません。
たとえば、人工降雨の場合は、ヨウ化銀という特殊なものを核としますが、自然界の上空にそんなものは存在しません。
そして、雨のメカニズムでわからないことが多い中で最も厄介な事実は、
雨が生成されるような高い上空には、氷晶核となるような物質は、あまりない。
のです。
たとえば、「核」となり得る物質に、砂漠からの粉塵や、工場などの微細粒子などの無機物があるとしても、しかし、「それらは、そんな上空にまではほとんど達しない」のです。実は、それ以前に、このような「無機物」は雨の核になり得ないのですが、それはともかくとして、
「核となるものがない空間で、なぜ雨ができるのか」
という部分が謎のままとなっているのです。
雨が作られるメカニズムそのものはわかっています。
しかし、それには「核」となり得る物質が上空になければならない。
ところが、上空には、そういうものの存在が少ない。
これはつまり、
地上から上空に上昇するような物質だけが原因なら、「地球にはほとんど雨が降らないことになってしまう」
のです。
科学の世界では、このことについて、非常に長い間、研究や調査が続けられているのですが、いまだに説明できない部分が多いのはそのためです。
これについて、フレッド・ホイル博士の著作『 DNA は宇宙を流れる』の解説を書かれましたジャーナリストの小沢元彦さんは、以下のように記しています。小沢元彦さんは、東京大学理学部の物理学科を卒業されていて、この分野の科学的な見識は高いはずです。
フレッド・ホイル『DNA は宇宙を流れる』の解説より
一般には、風にのって運ばれた土壌および鉱物塵粒子などが氷晶核となると言われている。しかし、ほとんどの鉱物は氷晶核としては不活性であり、例外的に、粘土類のケイ酸塩鉱物がマイナス18℃の大気中で氷晶を作ることが研究によって明らかになっている。
氷晶核として最も有効な形状は六万晶系の結晶であるが、表面構造の方がさらに重要であり、結晶構造は核の細かい表面構造を決める部分的要因であるにすぎないと言われている。
ある種の複雑な有機物が高い温度で氷晶核として活性化する(たとえばステロイド化合物の場合、マイナス1℃)という事実は、人工降雨研究者の間ではよく知られている。
難しい書き方ですが、書かれている事を簡単に説明しますと、
・ほとんどの鉱物は氷晶核とはならないという事実がある。つまり、仮に地上から鉱物が上空に行ったとしても、それらは雨の核にはならない。
・氷晶核として最も有効に働く物質は「有機物」である。
砂塵や微粒物質などは、そのほぼすべてが「核」にはなり得ず、そしては、核として最も有効なのは「有機物」だということです。たとえば、「バクテリア」のような。
過去の研究を振り返っていまして、非常に興味深いものも見つけました。
日付は何と 1958年ということで、61年前の研究論文ですが、東京大学理学部 地球物理学教室による研究で、「氷晶核の数の調査」に関する以下の論文です。
まず、研究は、「砂塵が強風で巻き上げられた場合の氷晶核数の変動」について調べました。その結果は以下のようなものでした。
1958年の論文より
強風の日には砂塵が猛烈に噴き上げられ、測定場所は砂塵に包まれることがしばしばあったが、これは核数にほとんど影響を与えなかった。以上のような事実から、氷晶核数の変動の原因は観測点付近の局所的なものではない。すなわち、氷晶核の源は観測点に近くのものではないことが推定される。
つまり、強風で砂塵が巻き上げられた時でも、「核の数」には影響を与えなかったということで、砂塵は「核にはなっていない」ことがわかると共に、大気中の核は、局所的な現象とは関係ないことがわかります。
では、日本上空の氷晶核が、中国大陸からの砂塵や黄砂の影響を強く受けるのではないかと考え、その関係性を調べた結果の締めには以下のようにあります。
1958年の論文より
海洋性の気団中の氷晶核の起源については、今回の観測のみからは結論が得られない。
その後、この論文には興味深い話が続きます。
ひとつ抜粋しますと、たとえば、以下のようなものです。
これは「氷晶核の起源は上」ではないかとする主張を紹介しているものです。英語は科学者のお名前だと思いますが、どなたかわからないですので、そのまま表記しています。
1958年の論文より
最近、オーストラリアの Smith らの研究では、飛行機で観測を行って、対流の起こりがたい垂直安定度の高い日、特に気温逆転のあるときに、地上よりも逆転層の上の方が氷晶核の多いことから、氷晶核は地面から出るものではなく、上層に源を有すること、流星雨の起こった日の約 30日後に多いとの観測結果を得たことは、Bowen の氷晶核の流星塵説を支持するものであることを主張した。
これも簡単に書きますと、「核の数は、上層に行けば行くほど増えた」ということです。
これが示すところは、
雨を作る核は上から、すなわち宇宙から降っている可能性が高い。
ということです。
上層大気の上には空間としての宇宙しかありません。
さて、地球のそのような非常に高い上層に「降っているもの」といえば、先ほども書きましたように、そのあたりの高層大気には、「無機物はあまり存在しない」のですね。
では何があるかというと、「生物」です。
ちなみに、この論文に、
> 流星塵
とありまして、これはつまり「宇宙塵」のことですが、詳しくは割愛しますが、この流星塵というものも、基本的には「バクテリア」であることが、フレッド・ホイル博士たちの 1980年代の観測でわかっています。
これについては、2011年の記事ですから、古いものですが、ホイル博士の実験と 1903年にノーベル化学賞を受賞したスヴァンテ・アレニウスが、実験により、共に、
「宇宙塵そのものがバクテリアである」
と結論付けたことなどについてふれた以下の記事をご参照いただければ幸いです。
・宇宙塵自身が生命であることに言及した 100年前のノーベル賞学者の実験
In Deep 2011年05月07日
なお、以下は、1960年代から 2018年までにおこなわれた「高層の微生物捕獲実験」のうちの代表的なものを図に示したものです。このように、現実として、「高層大気は微生物でいっぱい」なのです。
高層の微生物回収実験の歴史
上に示しましたのは、
・1960 - 70年代に上空 40kmでバクテリアが採取される(NASA 、ソ連)。
・2013年に、上空 25kmで藻類の一種「ケイソウ」が採取される(英大学)。
・2018年に、上空2.7kmで夥しい数のウイルスが回収される。
などです。
2018年のウイルスについては、以下の記事で、科学誌ネイチャーに掲載された内容を取りあげていますが、その量ときたら、
「毎日、 1平方メートルあたり 8億個以上のウイルスが地球の大気境界層より地球に降っている」
ことが判明したのですね。
ウイルスを有機物といっていいのかどうかわからないですが、バクテリア、そして藻類などが非常に高い高層大気で数多く回収されています。
実は、これらの実験の最初は、1960年代にはアメリカの NASA が、1970年代には、ソ連がおこなったのですが、「想定していた結果と違う」ことになって、どちらも実験が中止になったことが、フレッド・ホイル博士の著作に書かれています。
フレッド・ホイル 『生命・DNAは宇宙からやってきた』より
1960年代には、アメリカの科学者たちが高度 40キロメートルまで気球を飛ばして、成層圏にバクテリアがいるかどうか調査した。その結果、ごく普通のテクニックで培養できる生きたバクテリアが回収され、実験者を当惑させた。
さらに問題だったのは、バクテリアの密度分布だった。
成層圏の中でも高めのところでは、1立方メートルあたり平均 0.1個のバクテリアがいて、低めのところでは 0.01しかいないという結果になったのだ。
高度が高いほど多くのバクテリアがいるという結果は、バクテリアが地上から吹き上げられたと考える人々が期待していたのとは正反対の傾向だった。
不思議な結果に、研究資金を出していたNASAはこれを打ち切ってしまった。
1970年代後半には、旧ソ連で同じような実験が行われた。
彼らは、成層圏より上の中間層にロケットを打ち上げて、高度 50キロメートル以上の高さでパラシュートにくくりつけた検出装置を放出した。パラシュートが落下するにつれて、いろいろな高さで次々にフィルムが露出され、粒子を付着させては密封された。
回収されたフィルムを研究室に持ち帰って微生物を探したところ、 50から 75キロメートルの高度について、バクテリアのコロニーが 30個ほどできた。
中間層は空気が薄く、バクテリアはすみやかに落下する。したがって、中間層のバクテリアの密度は成層圏では数ケタ低いはずだ。それにも関わらず、これだけの結果が出たのである。
なお、この実験もたったの3回で打ち切られてしまった。
アメリカと旧ソ連で行われた実験は、はからずしてバクテリアが宇宙からやってきたというわれわれの仮説に見方してしまった。
要するに、当時の科学では、「上空の微生物は、地上から噴き上げられて存在している」ということになっていたのですが、アメリカの実験でも、ソ連の実験でも「高度が高くなればなるほど、微生物が増えていく」という結果になってしまい、つまり、
「宇宙空間に近づけば近づくほど、微生物の数が増えていった」
のでした。そして、当惑した科学者たちは、実験そのものをやめてしまいました。
それ以降は、同じような規模の実験はおこなわれていません。
長くなりましたので、そろそろまとめたいと思います。
今回書きました内容が、わかりいいものだったかどうかは何ともいえないのですが、まとめますと、こうなります。
雨と宇宙の関係
・雨は氷晶核という「雨粒の核」になる物質がなければ生成されない。
・ところが、雨が形成される高層空間には、そのような物質がほとんどない。
・また、仮に砂塵等があったとしても、それらの鉱物は、核として機能しない。
・核として自然界で最も有効なのは有機物。
・幸いなことに、上層大気には宇宙空間から来たバクテリアや藻やウイルスが数多くいる。
・それらはどれも氷晶核として有効に機能するものである可能性が高い。
・このようにして「宇宙から来た生命体を氷晶核として」雨は地上に降ってくる。
ということですかね。
最初に「雨の災害」というようなことにふれましたけれど、今年は、とにかく雨量が多かったのですが、先ほどの 1958年の東京大学理学部の論文の中に、調査の中でわかったこととして、以下のような記述がありました。
氷晶核数と大規模な気象状態の間には密接な関係がある。
どうも、高層の「氷晶核の数」と、気象の状態にはかなりの関係性があるようで、そして、こんなことはこの論文には書かれていませんが、私が思うには、当然のこととして、「氷晶核の数が多いほうが雨が多い」ことになると思われます。
ということは、つまり、
「高層大気中のバクテリアなどの量が多いほうが雨がたくさん降りやすい」
と。
だとすれば、宇宙から地球の大気圏内に入ってくるバクテリアの数を決めるのは、基本的に、地球に非常に接近する彗星や小惑星によるものだと思われますが、それらの地球に接近する天体の状態に地球の雨の状況は依存しているかもしれないということです。
例えば、季節性のインフルエンザなどは、かなり周期的に規則正しく季節ごとに流行したりしますが、その理由を、現在の医学的見識だけで行ってしまうと「説明できない部分がたくさん出てきてしまう」のです。
フレッド・ホイル博士は、はっきりと、季節性のインフルエンザの流行については、
「彗星が地球に接近する周期」
だと断言しています。まあ、これはここでは外れた話になりますので、ふれないですが、以下の記事に詳しく書かせていただいています。
なぜ風邪やインフルエンザは冬に流行するのか・・・「それはウイルスが宇宙から定期的に地球に運ばれるから」という確定的な説を無視し続けるせいで無意味な予防と治療に明け暮れる現代社会
このタイトルでおわかりの通り、すべての感染症において、「ウイルスが宇宙から定期的に運ばれている」という摂理のように、「雨」も同じようなものなのかもしれないと。
宇宙から地球の大気内への有機物の侵入量が増えれば、「核」が増え、地球上での雨量は多くなる。
それに加えて、以下の記事など複数書いていますが、雲は宇宙線によって生成されています。
スベンマルク博士の異常な愛情が今ここに結実 :「雲の生成は宇宙線によるもの」という説が25年にわたる観測の末に「結論」づけられる。そして、太陽活動が長期の地球の気温のコントロールに関与していることも
ここから考えれば、「地球で雨が降る」という現象は、
・太陽活動が宇宙線量を支配している
・宇宙線が雲を生成する
・宇宙からの有機物やバクテリアが雨の氷晶核となる
これらの作用によって、地球の雨の状況が左右されるという、まさに「雨が降るというのは、全体的に宇宙現象」であることが今になってわかるのです。
ですので、今後、雨が増えるか増えないかはわからないですが、極端な雨量を現出させるのも、その逆も、基本的には宇宙からの作用だということになります。
地球の雨の真実が翻然とわかって満足いたしました。