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11月1日にメルマガ終末の香りに包まれながら、うお座時代の最後のカオスの100年を耐え忍ぶを発行させていただきました。

2019年からの世界 アメリカの憂鬱 人類の未来 人類の覚醒と真実

西洋社会で次々と合法化されていくドラッグ。そして、オピオイド地獄が「大量死事象」へと発展している地獄そのものの今のアメリカ。その裏にチラ見えするCIAのスレイブ製造計画「MKウルトラ」の成果

投稿日:2019年2月6日 更新日:


sciencealert.com

ジャック・アタリ著『未来の歴史の概要』(2006年)より

《麻薬の合法化》

大衆は、不安定で無意味な生活から逃れるために、娯楽、そして麻薬に溺れるようになる。

20年後(2026年)には、多くの国境が閉鎖され、生涯の雇用が保証されることもなく、結婚することもできない生活の中で人々は暮らしていく。

そのような生活の中では「娯楽」が人々の主要な逃避先となる。

取り憑かれたかのように娯楽に没頭するものや、一日中、画面の前から動かない人々。

そして、娯楽と共に、麻薬が次々と合法化され、多くの人々は生活の中の逃避先として麻薬に没頭する。




 

先日、以下の記事で、フランスの知識人エリートであるジャック・アタリという人と、その人が書いた著作について少しふれたことがありました。

唯物論支配のこの地球で「人類の滅亡あるいは消滅」は数十年以内だと知り、むしろ安堵の中にいる私…。そして、その中で思い出すタラビッチの言葉
投稿日:2019年1月26日

これは 2030年からの社会について書かれた予測書というようなもので、冒頭に抜粋したのは、その中の「麻薬の合法化」というセクションの概要です。

この中の、

娯楽と共に、麻薬が次々と合法化され、多くの人々は生活の中の逃避先として麻薬に没頭する。

の中の、

> 多くの人々は生活の中の逃避先として麻薬に没頭する。

という部分に関しては、すでに、アメリカではオピオイドというカテゴリーの麻薬により大変なことになっていることは、2年くらい前から以下のような記事で取りあげていたことがありました。

「地獄の完成」 : アメリカ人の薬物での死者数の増加は究極的な段階に。その中でアメリカ当局は「モルヒネの1000倍強力な鎮痛剤」を承認するという地獄の上塗りも
 In Deep 2018年12月3日

2015年から加速しているアメリカの「ヘロイン / オピオイド地獄」が人ごとではないと思うのは、私たち日本人もまたあまりにも無知にさせられているから
 In Deep 2017年6月13日

この状況は、ついに以下の報道のような「アメリカ人の大量死事象」へと拡大しています。1月21日のフォーブスの報道です。

米国人が「薬物摂取」で死亡する確率、初めて自動車事故を上回る

Forbes Japan 2019/01/21

「防ぎ得る」死因によって米国人が命を落とす確率について調査した結果、2017年に初めて、薬物の過剰摂取の順位が自動車事故を上回ったことが分かった。

米疾病対策センター(CDC)のデータによると、同年に米国で薬物の過剰摂取により亡くなった人は、前年から9.6%増加。7万人を超えた。合成オピオイドのフェンタニルだけで見れば、前年比で45%増加していた。

また、「防ぎ得る」死因による同年の死者数と米国の人口、平均寿命(78.6歳)に基づいたNSCの推計によれば、米国人が薬物の過剰摂取と自動車事故によって死亡する確率はそれぞれ、96人に1人、103人に1人だった。

これはつまり、現在のアメリカでは、

「 103人に 1人が自動車事故によって亡くなっている」

のに対して(これも多いですが)、

「 96人に 1人が薬物の過剰摂取によって亡くなっている」

ということになるのです。

ちなみに、この「フェンタニル」というのは、病院で処方される合法の鎮痛剤ですが、日本緩和医療学会のウェブサイトによれば、フェンタニルの鎮痛作用は「モルヒネの約 50倍から 100倍」という強烈なものです。

フェンタニルという言葉は日本では馴染みがないですが、昔からあるもので例えますと、つまり「ヘロインのようなもの」と解釈していいはずです。地球のたくさんの人々の命を奪っていったあのヘロインです。

そして、くどいようですが、これはアメリカでも日本でも、違法ドラッグではなく、「病院から処方される薬」です。

それによって、現在、おびただしい数のアメリカ人が亡くなっている。

数字から見れば、今のアメリカでは、毎日 200人ほどの人たちが、このフェンタニルの過剰摂取で命を落としていることになります。

 

そして、先ほどのフォーブスの記事で驚いたのは、

> 合成オピオイドのフェンタニルだけで見れば、前年比で45%増加していた。

の「前年から 45パーセントの増加」というところでした。

2015年から 2016年にかけてのアメリカでのオピオイドでの死者の増加ぶりの時にさえ、もはや「極限の増加」だと言われていたのに、2017年は、さらに「倍近く」増えているのです。

ちなみに、下は、オハイオ州カイアホガ郡という場所での 2013年から 2016年の間の薬物の過剰摂取での死亡者数の推移です。多くがオピオイドです。2015年から「唐突」に増加していることがおわかりになると思います。

他のアメリカでも、おおむねこのような推移となっているはずです。

米オハイオ州カイアホガ郡での2013年から2016年の薬物の過剰摂取での死亡者数

Heroin and fentanyl killed more people

なお、フォーブスの記事には、アメリカ人の死因となる確率が高いものから並べられているのですが、一部抜粋しますと、以下のようになります。

最も高いのが心臓疾患で「 6人に 1人のアメリカ人が心臓疾患で亡くなっている」というとこから始まり、以下のようになります。

アメリカ人の「防ぎ得る」死因

・がん/7人に1人

・自殺/88人に1人

・オピオイド過剰摂取/96人に1人

・自動車事故/103人に1人

・銃撃/285人に1人

・銃の誤射/8527人に1人

・鋭器による事故/2万8000人に1人

・自然災害/3万1394人に1人

こう見ますと、「なんと自然災害での犠牲の少ないことか!」と思います。

現在のアメリカは、

「自然災害で亡くなる人は 3万人に 1人」

なのに対して、

「自動車事故によって亡くなる人が 103人に 1人」

「銃で撃たれて亡くなる人が 285人に 1人」

そして、

「オピオイドの過剰摂取によって亡くなる人が 96人に 1人」

という国となっているのです。

「オピオイドの中毒の人が 96人に 1人」なのではなく、「死んでしまう人が 96人に 1人」なのです。

驚くべき数字ではないでしょうか。

ここから考えますと、今のアメリカでは「何人に 1人がオピオイドを常用しているのだろう」と考えます。

先ほども書きましたけれど、これは合法薬であり、手に入れることがものすごく難しいものというわけではないはずです。

「地獄だなあ」と、つくづく思いますが、

この地獄はなぜ発生して、そしてどのように作られたか

ということは……まあ、詳細がわかるわけはないですが、おぼろげながら思うのは、この現在の尋常ではないアメリカ人の薬による致死率、つまり「 100人に 1人以上が薬物の過剰摂取で死んでいる」という状況は「普通に生まれるものではない」とも思います。

何しろ、アメリカの人口は 3億人以上なんです。

そこから考える「薬物死が人口の 96分の 1」というのが、どれだけものすごい数かという話でもあるのです。

関係ない話ですが、1970年代の英国のロックバンドに、セックス・ピストルズというものがありましたが、そのボーカルだったジョン・ライドンという人は、若い時からドラッグを非常に憎んでいた人で、特に、フェンタニルと同じ系統のヘロインの存在を異常に憎んでいました。

ドキュメンタリー映画の中で、ジョン・ライドンは、

「ヘロインは人間から、すべての人間らしさを奪ってしまう悪夢すら及ばない最強の地獄だ」

と述べていましたが、著名人を含めたさまざまなオピオイド依存症の人々の悲惨さを見聞すると、私もおおむねそのようなものだと思っています。

「オピオイド = 地獄」

という構図だと。

以前、こちらの記事で、これらの薬の原料となるケシは、「開いてはいけないパンドラの箱だった」と書いたことがありますが、もう箱は開きっぱなしになっていて、閉じることがないままです。

 

ともあれ、話を冒頭のジャック・アタリ氏の「未来予測」に戻しますと、その中に、

麻薬が次々と合法化され

という部分があり、これこそ、いわゆる「今ココ」ということになっているわけです。

カナダで昨年 10月に大麻が「国家として合法化」されて以来、アメリカにもその波が押し寄せていまして、今の状態だと、アメリカが全面的に大麻を合法化するのは近いのかもしれません。

下のフォーブスの記事のように、次のアメリカ中間選挙では、多くの議員が「大麻合法化」を主張することが明確になっています。

2020年米大統領選、有力候補らが「大麻合法化」を相次ぎ主張

Forbes Japan 2019/01/10

2020年の米国大統領選の有力候補として知られる、民主党のカリフォルニア州上院議員カーマラ・ハリスは、自身の著書で大麻の合法化を主張している。

「長年続いてきたドラッグをめぐる論争に終止符を打ち、米国は大麻の合法化を推進すべきだ」とハリスは1月8日に発売した著書で述べた。

大麻の合法化推進はここ数年、米国においてメインストリームの動きとなった。中でも民主党議員の間で、合法化支持の声は高まっている。

「米国では多くの人々が大麻の使用が原因で逮捕され、起訴され、刑務所に送られている。この状況を変えなければならない」とハリスは当時、述べていた。

ハリス以外にも、民主党から大統領選に出馬を表明した議員の多くが、大麻合法化のポリシーを掲げている。先日、出馬に向けた準備委員会を立ち上げたマサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員も、大麻合法化のスタンスを掲げている。

あるいは、すでに以下のように、産業用大麻の大規模栽培は合法化されていますので、本当に全面合法化は近いのかもしれません。

米、産業用大麻の大規模栽培を合法化へ 法案可決

AFPBB News 2018/12/13

米下院は12日、産業用大麻(ヘンプ)を規制物質法の対象から外し、大規模栽培を認める法案を賛成369、反対47の賛成多数で可決した。上院でも前日に賛成87、反対13で可決済みで、ドナルド・トランプ米大統領が署名すれば成立する。

法案を後押ししてきたミッチ・マコネル上院院内総務によると、法案は「ヘンプを農産物として合法化する」もので、成立すればヘンプ栽培が農作物保険の対象になるほか、研究開発でも連邦政府の助成金を申請できるようになる。

 

そして、冒頭のサイエンス・アラートの記事にありますように、アメリカではマジック・マッシュルームも合法化になっていく方向のようです。

マジック・マッシュルームは、ソフトな幻覚作用を持つキノコで、『今昔物語』などで「舞茸」と呼ばれたりする伝統的なものですが、日本でもアメリカでも、法律で使用と所持が禁止されています。

 

ちなみに、今書いています話は、大麻がどうだこうだ、マジックマッシュルームがどうだこうだという話ではないです。

 

正直、日本のように、大麻ごときのソフトドラッグで、たとえば有名人などが逮捕された時に「天下の極悪人」のように報道されるというのは、さすがに時代錯誤も甚だしいとは思いますし、上のどちらも、古来から生活の中に存在するもので、特に「古代の日本と大麻」の関係は、とても強いものだったと考えられ、古代日本人の生活になくてはならないものだったと思われます。

 

しかし。

 

それらとは「違う」ということを認識しないといけないと思うのです。

何が違うのかというと、

「時代が違う」

のです。

「良い時代」と「悪い時代」という概念があったとした場合、これらのものは、「良い時代にだけ適用される」ものだと思うのです。

大麻にしても、マジックマッシュルームにしても、

「良い時代であったからこそ有益だった」

はずだと。

誰も「現実から逃避しようなどと考えなくてもいい時代」なら。

たとえば、マジックマッシュルームの作用はどのようになるかというと、Wikipedia には、いろいろな事例が紹介されていますが、アメリカの以下のような事例も紹介されています。

マジックマッシュルーム - Wikipedia

1914年の科学誌『サイエンス』にはアメリカ合衆国メイン州における男女の中毒例の記載があり、ピアノを弾いたり飛んだり跳ねたりおかしくてたまらず、部屋の花束が自分を巻いているようだというような幻覚が起きたという。

他にも記載されているのが、ほとんどがこのような事例で、

「楽しくて仕方なくなり、笑って踊り続ける」

というものです。

そして、このマジックマッシュルームそのものの薬効で死亡した人は、おそらく「誰もいない」のです(建物から落ちたりする事故死はあるようです)。

2009年の医学書『臨床中毒学』にも「マジックマッシュルームによる重症や死亡はまずない」と書かれています。

大麻もそうです(こちらも事故とかはたくさんありそうですが)。

フェンタニルのように、短い期間で次々と「その薬効」で大量の人を殺し続けているようなものとは基本的に違うのです。

 

しかし。

 

それでも、私は今の世の中には、いかなるドラッグも蔓延するべきではないと考えています。

良い時代なら、「楽しくて笑って踊り続ける」のもいいことなのだと思います。

しかし、今のドラッグの蔓延の背後にあるものは、ほぼ、

「現実からの逃避」

だけだからです。

今の世の中で、オピオイドのようなものを欲する人の多くは、「逃避のため」ということが多くなりそうで、そのような状況での使用は、その人々をますます現実社会を見ないようにしていってしまうことになると思うのです。

「社会をきちんと見る人が少なくなる」と。

冒頭のジャック・アタリ氏の著作の部分からもう一度抜粋します。

《麻薬の合法化》

大衆は、不安定で無意味な生活から逃れるために、娯楽、そして麻薬に溺れるようになる。

取り憑かれたかのように娯楽に没頭するものや、一日中、画面の前から動かない人々。

そして、娯楽と共に、麻薬が次々と合法化され、多くの人々は生活の中の逃避先として麻薬に没頭する。

このような「大量の娯楽の提供」と「次々と麻薬が合法化されていく」というのは、「誰の望みか」ということを考えたいのです。

人々が社会を冷静に見られなくなるような世界を誰が欲しているのか。

自然にそのようになるというものでもないはずです。

 

そういえば、なんとなくタイトルに「 MKウルトラ」と入れていました。

MKウルトラというのは、Wikipedia から抜粋しますと、以下のようなものです。

MKウルトラ計画 - Wikipedia

MKウルトラ計画とは、アメリカ中央情報局(CIA)科学技術本部が極秘裏に実施していた洗脳実験のコードネーム。

MKは、被害者の名前にちなむ。アメリカとカナダ両国の国民を被験者として、1950年代初頭から少なくとも1960年代末まで行われていたとされる。

CIAの文書によると、「マインドコントロールの効果を立証するための実験」と称して、化学的、生物的な手段を用いた事に留まらず、放射性物質にも着手した事が明らかとなっている。

LSDをCIA職員や軍人、医師、妊婦、精神病患者らに投与する実験を行っていた。

CIAのライブラリーに残るMKウルトラの文書


cia.gov

これに関しては、何となく、このことを思い出しただけで、今のアメリカのオピオイド地獄と関係あるわけではありません。

ただ、過去にこのようなことを大々的におこなっていたアメリカという国は、「ドラッグについての幅広い知識を所有している」ことは確かだと思います。

MKウルトラ計画で CIA が検証を試みようとしたとされるドラッグの種類が、機密指定を解除された CIA の4000ページにおよぶ書類に記載されていて、そのドラッグの種類は何と「 230種類」ほどにも及びます。

かつて、アメリカは徹底して、この世にあるクスリと「その人間への作用」を研究し続けていたようなのですね。

そして、そんな薬の知識を持つアメリカで、モルヒネの 100倍の鎮痛作用のあるフェンタニルという異常に危険な薬が病院で合法的に処方され、大麻やマジックマッシュルームも次々と合法化されていこうとしています。

おそらく社会の方も、今後「何かに逃避しないと生きていけない」ような状況がさらに大きく全面に出てくる気もします。しかし、そういう社会になればなるほど、私たちは、なるべくなら「クリーンな状態」でいるほうがいいのではないのかなと。

今後は、できるだけクリアで冷静な意志と自我と共に、この世を見ていかなくてはならない時代となるはずです。

 

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  • この記事を書いた人

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