南米チリのサン・フェルナンド上空の奇妙な色彩の太陽 2016年12月15日
上の写真は、12月15日に、南米チリのサン・フェルナンドという街での夕暮れの時の太陽です。
赤い太陽・・・というか、もはや「カワイイ」という感じのピッカピカのピンクに輝いている感じでもありますが、この日のこのサン・フェルナンドの夕暮れの様子は SNS などで様々な写真が紹介されていました。
沈む赤、あるいはピンクの太陽
この赤い太陽は理由もなく出たわけではなく、記録的な猛暑(報道によれば、101年ぶりの熱波)が続いているチリで、おそらくは多発している山林火災の粒子などのためだと考えられています。
今年 2016年は、赤い太陽、あるいは、ピンクの太陽というキーワードや、あるいは「チリ」という国そのもの、そして、それらに加えて「 33度」という概念が多く登場しましたが、それらを思い出しながら眺め直してみますと、このピンクの太陽も意味深いものにも見えてきます。
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2016年の赤い太陽の意味
今年、最初に「赤い太陽」あるいは「ピンクの太陽」が出現したことをご紹介しましたのは 3月11日の、
・何となく呪われ感の強くなっている南米に浮かんだ光の原色を思わせる「ピンクの太陽」の場所を眺めていて気づいた「もうひとつの33度」の世界
2016/03/11
という記事においてでした。
2016年3月9日にチリのサンチアゴで撮影されたピンクの太陽
海外の報道などでは、この太陽について「血のように赤い」というような、おどろおどろしい形容で語られることも多かったですが、赤は赤でも、これは「マゼンタ」という色料や光の三原色の赤と似ていて、「血」というよりは「ピンク」に近かったために、記事ではピンクと表現しています。
この時も夕陽だったと思いますが、この際に、どうしてチリの太陽がこのように赤くなったのかということについては、チリのニュースをいろいろと調べてみますと、サンチアゴから近いサン・フェリーペという場所にある森林で大規模な山林火災が発生しており、おそらくは、その火災の煙の微粒子などによる効果で赤く見えたのではないかと報じられていました。
・Google Map
上の地図には「南緯 33度線」と記載されていますが、それについては、また後半で記します。
火災の際に必ずしも、太陽が赤くなるということではないですが、大規模な火災では、大気中に様々な微粒子が大量に放出されますので、それが関係して、このように映るようになるのではないかというような感じらしいです。
これまでも、山林火災の際には、たびたび太陽が赤くなったことが報じられてきました。
2014年9月21日 山林火災の際のカリフォルニアの太陽
2016年9月30日 山林火災の際のカリフォルニアの太陽
・過去記事「…かつて南緯33度線に出現した「赤い太陽」が、カリフォルニアにも出現」
こういう意味では、赤い太陽やピンクの太陽は、
「その空の下の大地が広範囲に激しく燃えている」
ことを示すもので、それが世界中で多発しているとすれば、「燃えている大地が広がっている」ことを示すものなのかもしれません。
2つの「サン・フェルナンド」
さて、今回ご紹介している南米チリでの赤い太陽、あるいはピンクの太陽が現れた場所なんですが、チリの「サン・フェルナンド」という街です。
これを聞いて、「どこか他でもこの地名を聞いたことがあるなあ・・・33度線のあたりで・・・」と思いまして、調べてみますと、アメリカ合衆国にあったのです。
しかも、それがチリのサン・フェルナンドと面白い感じの位置関係を持っていたのですね。地図では、それぞれ下の位置になります。
赤い太陽が出た南米チリのサン・フェルナンド
米国カリフォルニア州のサン・フェルナンド
それぞれ位置としては、
・サン・フェルナンド(チリ) 南緯 34°35度
・サン・フェルナンド(米国) 北緯 34°17度
となり、ぴったり 33度線上ということではないのですが、このサン・フェルナンドという同じ地名が、「アメリカの南と北のどちらの 33度線近くにもあり、そこに赤い太陽が出ている」ということが興味深かったのでした。
そして今は、「南の 33度線(チリ)」で太陽が赤くなっているわけですので、「おそらく、今年 2016年には、北のほうの 33度(アメリカ)でも同じようなことが起きていたのでは?」と思ったのでありました。
ニュースを遡ってみますと、わりとすぐに出てきました。
2016年6月5日に、カリフォルニアでの大規模火災で、アメリカのサン・フェルナンドで太陽が赤くなった様子が米国ロイターで報じられていたり、あるいは、サン・フェルナンドに隣接するカリフォルニア州のカラバサスでは、美空ひばりさんに見せたいほど見事な「真赤な太陽」が撮影されていました。
米国サン・フェルナンドでの山林火災で赤く染まる太陽
これらの原因は、すべて山林火災と考えていいはずで、現象事態は特に奇妙なものではないですが、この「赤い太陽の連発」が教えてくれていることは、いかに、山林火災が多い地球になっているか、ということでもあります。
この山林火災(森林火災)というのが「現代の自然災害の大きなキーワード」であることは、過去記事の、
・…山林火災というのは「最近新しく登場した自然災害」であることを再確認する
2016/05/08
で、そのタイトルにも書きましたように、「山林火災というのは、新しい自然災害だ」という統計上の事実があります。
アメリカでの過去50年間での森林火災(野火)による建造物被害の推移
・PERC
また、比較的最近の記事の、
・火の夢で目覚めた現実の世の中は「イスラエルが同時多発火災テロの炎に包まれて3日目の朝」だった… : 世界で激増する野火が示唆する近い未来
2016/11/26
で書きました、イスラエルで 11月に起きたような「大規模な山林火災を誘発させるタイプのテロ」が現実化していることや、もちろん、自然に発生する山林火災も増えていることから、どうも、これからの世の中は、
「火に包まれる世界」
という局面も強くなるのかもしれません。
そして、その「火の時代」を思わせてくれた今回の「2つのサンタフェ」・・・じゃないや、何だっけ。サンタ・サングレじゃなくて、ああ、サン・フェルナンドですね。つまり、「2つのサンタフェ」(また間違うのかよ)。
もう地名はどうでもいいですが、そのふたつが、
・北緯33度
・南緯33度
を示してくれていたということを今回は書きたかったのかもしれません。
2016年と33度線
今年は「 33度線」関係の出来事がとても多い年でした。
2016年に最初に記事にしたのは、おそらく、
・北緯33度線の「意味」が完結に向かうかもしれないと思わせる2016年…
2016/01/17
というものだと思います。この記事のタイトルのように「完結」に向かったかどうかはわからないですが、何となく、そういう気配もないではないという感じは漂ってはいます。
時間があれば、過去記事などでご紹介した 2016年に 33度線で起きた印象的な出来事を地図と共に再度確認してみたいとは思っています。
なお、地球の「北緯33度線」と「南緯33度線」は以下の地図の赤いラインの出分です。
北半球の北緯 33度線は、日本の九州から韓国の済州島を通った後、中国を横断し、アフガニスタン、イラン、シリア、イスラエル、ゴラン高原、地中海を抜け、アメリカのサウスカロライナ州から、ダラス、ネバダ核実験場などを経て、カリフォルニア州のサンフランシスコ近郊に至ります。
南半球の南緯 33度線は、南アフリカ、アルゼンチン、チリなどの南米を通り、そして、オーストラリア南部を通過するラインです。
これらの「赤いライン」で、今年どんなことが起きたかを思い出してみても、比較的壮大な「 33度的な年」だったようにも思います。
なお、33度線の歴史上での象徴は「血」と「失われる命」です。
今回のチリとアメリカの「赤い太陽」は、その意味を十分にあらわしていると思います。
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